焼トンは炭で焼くと美味しくなるのはなぜ?

最近では、焼き鳥と並び焼トンも大変人気があるようです。比較的リーズナブルでありながら、焼き鳥にはない食感とジューシーさを楽しめる焼トンは密かなブームになっているとも言えるでしょう。
そんな中で、お酒との相性も抜群な焼トンの最大の魅力の一つと言えるのがその香ばしい風味です。これは焼トンを炭で焼くからこそ得られるものなのですが、なぜ炭で焼くと香ばしい風味が得られるのかご存知ですか?
今回は、炭で焼く事で焼トンが美味しくなる理由について解説していきたいと思います。

そもそも焼トンだけでなく焼き鳥などでも使用される炭は、遠赤外線と近赤外線の両方を発生させる事ができます。このような炭を使用した場合の赤外線の発生量は、ガスを使用した場合のおよそ4倍とも言われています。遠赤外線には輻射熱と呼ばれる熱を発生させる効果があり、より高温で食材の表面を短時間で焼く事ができます。そのため、焼トンにおいては肉の表面をカリッとした状態に仕上げることができるだけでなく、肉の内部からしみ出す肉汁が滴り落ちてしまう事を防ぎ、よりジューシーに仕上げる事が可能です。一方で近赤外線には食材の内部へ伝わり、内部からじっくりと焼き上げる事ができます。そのため、食材全体を均一に加熱する事ができ、食感などのムラが発生することを防ぐ事が可能となります。

また、炭で焼いた場合、発生する煙による燻煙効果を得られる事もまた、焼トンを美味しくする要因と言えます。この事はソーセージやスモークサーモンなどの燻製製品の香ばしさからも歴然としていると言えるでしょう。備長炭等の香りが特徴的な煙を発生させる事ができる炭が重宝されるのはそのためです。