「居酒屋」が人の会話を円滑にしてくれるのはなぜか?

職場などの飲み会へ行くと、普段は話せないような事に関しても腹を割って話す事ができ、結果的に仕事をスムーズに進めることができるようになったと言う経験をされた事のある方は多い事でしょう。このようなことから、飲み会もまた仕事の一部であると言う考え方は日本においても古くから存在しています。

ところで、このような飲み会がなぜ人の会話を円滑にしてくれるのか考えてみた事はありますか?もちろん、お酒を飲むことによる浮遊感や、少し無礼な発言をしてもお酒のせいにできると言う安心感も会話を円滑にする要因の一つになっていると言えるでしょう。
しかしながら、一方で「居酒屋」と言う空間自体もまた会話を円滑にする事に大きな影響を与えていると言えます。そこで今回は、この居酒屋と言う空間と人の会話の関係性について少し考えてみたいと思います。

まず、一般的な飲食店に比べ、居酒屋では個室や仕切りなどが設けられており、よりプライベートな空間を演出しています。そのため、他のお客さんと顔をあわせる事も少なく、その事が安心感を助長し、より会話をしやすい空間を作り出していると言う事は間違いないでしょう。また、多くの居酒屋では明る過ぎる照明を設けず、一般的な飲食店に比べ少し暗い空間が演出されている事も多いです。これらもまた、プライベートな空間を作り出す事に起因しており、会話をしやすい空気感を作り出すための大きな要因になっていると言えるでしょう。

居酒屋は、他の飲食業に比べ、お客さんの滞在時間をいくらでも引き延ばすことができる業種と言えます。お客さんの会話が盛り上がれば滞在時間も長くなり、客単価も上げる事が可能ですので、お店側が意図的に会話をしやすい雰囲気作りを行っているとも言えるでしょう。