駅チカでふらっと飲みにいく楽しさ

夕暮れになり、飲み屋の赤ちょうちんに灯がともる頃になると、あたりには食欲をそそるような良い香りが漂い始めます。店内で提供される料理の香ばしい匂いと、軒先に吊るされた、赤ちょうちんのオレンジ色の灯りに、ふらっと引き寄せられる方も多いことでしょう。

いわゆる、赤ちょうちんは、ビールやチューハイ、日本酒などのアルコールを提供しながらも、バーなどに比べると、料理の種類や量も多く、飲・食の両方で満足できる飲み屋です。会社帰りのサラリーマンが同僚たちと一杯やりに行くといえば、昔からこの赤ちょうちんが定番であり、日頃の鬱憤を発散させ、仲間との絆を深め、明日への活力を養うといった空間でもあります。

赤ちょうちんは、駅前や駅チカに店を構えていることも多く、そのアクセスの良さも愛される条件のひとつです。大なり小なり、酔って帰ることを前提で飲みに行くわけですから、駅から近いことは非常に安心なことでもあるでしょう。

そんな赤ちょうちんも、近年ではサラリーマンに限らず、OLや大学生たちの飲み会などにも大いに利用されるポピュラーな場所になりました。

それでも、近所の親父さんなどが散歩のついでに、ふらっと立ち寄れるような、そんな懐の深さも兼ね備えているのが、赤ちょうちんと言えるかもしれません。

どことなくうらぶれた、昭和のムードが漂う赤ちょうちんなら、チョイ飲みにふらり立ち寄るような楽しさがやはりお似合いなのではないでしょうか。

ともあれ、今夜も赤ちょうちんの引力に抗えない大人たちが、その暖簾をくぐることは間違いないかもしれません。